エンジニア向け退職代行サービス完全ガイド｜選び方から成功事例まで徹底解説

IT業界の離職率は他業界の1.3倍とも言われ、エンジニアの退職は非常に難しい課題となっています。
長時間労働やプロジェクト炎上、複雑な引き継ぎといった理由から、多くのエンジニアは退職をためらい、心身ともに疲弊しています。
特に、「上司との話し合いが怖い」「退職のタイミングをつかめない」と感じる方も少なくありません。このまま悩み続けるのは精神的にも経済的にも負担が大きいです。

そこで注目されているのが退職代行サービスです。退職のプロの適切なサポートを受けることで、円滑に退職を進められる事例も増えています。
この記事では、選び方や成功のコツ、具体的な事例も交えて、あなたの退職をスムーズに実現する方法を解説します。これを読めば、自分一人で抱え込まずに退職できる未来が見えてくるでしょう。

1. エンジニアが退職代行を利用する理由5選

エンジニアの退職が難しい背景には、まず技術者不足が深刻な問題となっています。厚生労働省の調査によると、IT業界の技術者不足は年々増加し、2022年には約30万人の人材不足が指摘されています。
高い専門性を持つエンジニアは企業にとって貴重な資産であり、そのため引き止めが図られるケースが増加しています。

さらに、プロジェクトベースの働き方が多く、短期間での設計思想や暗黙知の引き継ぎが非常に難しいです。
一般職種に比べて技術やノウハウが文書化しづらく、次の担当者へ伝える作業が複雑になるため、退職までの期間が長引く要因となっています。

加えて、多くのIT企業では24時間体制のシステム運用や頻繁なリリース作業も不可欠で、退職のタイミング調整や引き継ぎがさらに困難になっています。

実際、民間企業の調査では、ITエンジニアの退職代行利用率は2020年の約10%から2023年には約35%へと急増しています。このような背景から、多くのエンジニアが精神的・肉体的な負担を感じ、円滑な退職が難しい状況に置かれています。

ここからは5つの重要な理由を具体的に解説します。あなたの状況と照らし合わせてみて、いずれかに該当する場合は退職代行利用の検討が必要かもしれません。

解決する手段は第２章以降で触れていきますので安心してください。

1-1. プロジェクト炎上による精神的な限界

多くのエンジニアは、仕様変更の頻発や無理な納期設定、クライアントの要求の突発的な変更に巻き込まれ、過酷な状況に追い込まれています。
こうした過重な負担は、医学的には適応障害やうつ病のリスクを高めると指摘されています。特に、責任感が強いエンジニアほど、「自分が何とかしなければ」と感じ、抜け出すことが難しくなります。

実際、ある調査では約65％のエンジニアが炎上プロジェクトに関わった経験があり、連日の徹夜や休日出勤が常態化し、1週間で80時間を超える長時間勤務を余儀なくされているケースも珍しくありません。
特に、過労死ラインの長時間勤務に達している例も多く、健康被害や精神的疲弊が深刻化しています。

1-2. 長時間労働・サービス残業の常態化

IT業界では、月平均の残業時間が約47時間に上り、これは全業界平均の約1.8倍にあたります（厚生労働省調査）。
この長時間労働は、過労死ラインを超えるケースも多く、睡眠不足や過労による健康障害、集中力低下、ストレス過多を引き起こしています。

さらに、違法なサービス残業も横行しており、調査では約6割の労働者が未払い残業を経験しているとされます。
労働基準法37条では時間外・休日労働に対して適切な割増賃金の支払いを義務付けていますが、多くのケースで残業代未払い・未支払いが発生しています。

みなし残業制度や裁量労働制が悪用され、実働時間に対する正当な賃金の支払いがなされていない例も少なくありません。深夜0時以降や休日出勤が月10回を超える例も多く、労働環境の悪化とともに、実際には約4割の労働者が適正な残業代を受け取れていない現状が明らかになっています。

1-3. 上司への退職相談が困難な職場環境

エンジニアの場合、上司との関係は技術格差やプロジェクト依存の構造によって複雑化しがちです。
特に、スタートアップ企業では経営層とエンジニアの距離が近いため、「君がいないと困る」といったプレッシャーや、引き止めるための圧力が強まるケースも少なくありません。

一方、大企業では上下関係や評価制度の壁があるものの、上司に相談しにくい雰囲気や、技術的な差によるコミュニケーションの齟齬も多く、退職を申し出ても簡単には話し合えないことが多いです。
特にリモートワーク環境では、上司と直接顔を合わせる機会が減少し、相談しづらさや誤解が生じやすく、退職の意向を伝えづらい状況が生まれています。
さらに、エンジニア不足の現状では、引き止めの圧力がより強まり、職場からの円滑な退職が難しくなっています。

小規模な企業では、経営者との距離が近いため、逆に人間関係の悪化や退職交渉の難航といったリスクも伴います。

1-4. 転職活動の時間確保が困難

エンジニアの転職活動は、技術面接や実技試験、ポートフォリオ作成など、専門的な準備が必要な点が特徴です。
特に、プログラミングスキルやシステム設計力の向上のためには、毎日の学習時間や実践的な演習に多くの時間を割く必要があります。

例えば、技術書を読む時間、コードを書きながら理解を深める作業、資格取得のための学習時間を捻出するのは容易ではありません。しかし、現職の長時間残業や多忙な業務の合間に、こうしたスキルアップのための時間を確保することは非常に困難です。

さらに、現在の求人市場は活況を呈しているものの、実情は平日昼間の面接設定が多く、夜間や週末に面接を調整することも一苦劫です。連日の過重労働により、面接スケジュールの調整や自己研鑽の時間を捻出できず、活動の停滞を余儀なくされるケースも少なくありません。

1-5. 引き継ぎ業務の複雑さによる退職延期

技術的引き継ぎは、設計思想やプログラムロジック、運用ノウハウといった専門的かつ抽象的な情報が多く、非常に複雑です。特に、レガシーシステムの保守においては、古いコードや不十分なドキュメント、そして担当者の入れ替わりに伴う暗黙知の漏れによって、思った以上に時間と労力が必要となります。

属人化の問題も深刻で、担当者ごとに理解度や作業手順が異なるため、数百ページの設計書や運用ノウハウだけでは十分でなく、暗黙知に頼ったまま進められているケースも多く見受けられます。

実際、引き継ぎ期間は数ヶ月に及ぶことも珍しくなく、「引き継ぎが完了するまで退職は認められない」と勤務先からの強硬な主張もあります。

そのため、引き継ぎ作業が完了しないまま退職を決断できず長期化し、結果として業務やプロジェクトに支障をきたす例が多く見られます。

さらに、次の職場に迷惑をかけたくないと考え、転職自体を諦めるケースも散見されます。

2. エンジニア向け退職代行サービスの選び方

エンジニア向け退職代行サービスは、一般的な退職代行と比べてIT業界特有の問題に対応できる専門性が求められます。例えば、複雑な引き継ぎや技術的交渉に不慣れな業者を選ぶと、交渉失敗やトラブルの拡大を招き、退職が長引くリスクがあります。

正しい業者を選択すれば、成功率は約90～100％と高くなりますが、退職代行市場では質の差が大きく、IT業界の慣習や技術的知識を理解していない業者も存在します。失敗例として、業者側の理解不足から引き継ぎや退職交渉がスムーズに進まず、余計なトラブルに巻き込まれるケースもあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。

退職代行業者選びは、スムーズで安全な退職実現に不可欠です。これから紹介する4つの重要チェックポイントを満たす業者を選べば、安心して退職手続きを任せられます。優良と悪徳の見分け方も理解して、信頼できる業者を選びましょう。

2-1. IT業界の労働環境に精通した業者を選ぶ

技術と業界の特性を理解していない業者では、適切な対応ができず、トラブルや遅延につながることがあります。
例えば、プロジェクトの性質や業界慣習、専門用語を理解せずに進めた結果、引き継ぎや交渉が円滑に行えず、退職が延期される事例もあります。

優良な業者は、IT業界経験者の在籍や業界特化型サービスを提供しているかなどで見分けられます。
また、常駐作業やオンコール対応など、業界特有の問題に対する理解度を事前に確認し、プロジェクトベースの業務進行や顧客先での特殊事情への対応力を持つ業者を選ぶことが、スムーズかつ確実な退職には不可欠です。

2-2. 弁護士監修・労働組合運営の安全性を確認

弁護士法人や労働組合提携がある退職代行は、法的根拠に基づく対応力が強く、損害賠償請求や競業避止義務などのトラブルにも適切に対処できます。

弁護士法人は法的な安全性を確保し、違法行為を未然に防止します。
労働組合運営は団体交渉や団体交渉権の活用により、強力な交渉力を持ち、円滑な退職を実現します。

一般企業運営の退職代行は、特にトラブルになりそうな事情がない（借金が無い、人手不足等も無い）場合には金額面も安くおすすめです。

結論、ただ辞めるだけ（有休消化もほとんどの場合可能）なら一般企業。
法的な助言を必要としている、会社に借金がある方は弁護士法人。
退職金の増額や有給の交渉を必要とする場合には労働組合。
上記のようにサポートを選びましょう！

2-3. 24時間対応・即日退職の可否をチェック

エンジニアの労働環境は深夜や休日の作業も多いため、24時間対応や即日退職(*)に対応可能なサービスのニーズが高まっています。特に、プロジェクトの炎上やパワハラなど、緊急性の高い状況に迅速に対応できる業者を選ぶことが重要です。

*法的には民法第627条で２週間前の通知により退職可能と認めらており、有給休暇を活用することなどで即日退職は可能となっています。

忙しいエンジニアに配慮し、平日夜や土日祝日も対応可能な体制を整えている業者であれば、スムーズな退職手続きが期待できます。こうした対応力を持つ業者は、柔軟なスケジュール調整と24時間体制の相談窓口を備えており、急ぎのケースにも迅速に対応します。
特に、労働時間の長いエンジニアにとって、いつでも相談できる体制の存在は、大きな安心材料となります。

2-4. 費用相場と追加料金の有無を比較検討

退職代行の費用相場は一般的に2万円から5万円程度ですが、エンジニア向けの専門サービスは、技術的なサポートや確実な退職実現のためにやや高めの料金設定となるケースが多いです。ただし、単に安さだけで選ぶのではなく、費用対効果を重視すべきです。

特に、交渉長期化や弁護士サポートの有無など、見えにくい追加費用が発生しないか注意が必要です。
優良業者は、明確な料金体系を提示し、説明責任を持つため、事前に詳細を確認しましょう。
さらに、分割払い対応やクレジットカード対応など、支払い方法の選択肢も比較検討のポイントです。

3. 退職代行サービス利用の流れと必要書類

退職代行サービスの利用において、一般的には、申し込みから退職完了までに3日〜1週間程度かかりますが、エンジニア特有の引き継ぎや調整作業が伴う場合は、期間が延びる可能性もあります。

そのため、事前に必要書類や引き継ぎ事項を整えておくことが、スムーズな手続きとトラブル防止に欠かせません。
例えば、勤務状況を証明できる書類や引き継ぎ資料などを準備しておけば、利用が初めての場合でも安心して手続きを進めることができ、結果的に円滑な退職を実現できます。
適切な準備を行うことが、精神的な負担を軽減し、円満な退職に繋がります。

退職代行の利用において、段階的なプロセスを理解し事前準備を整えることが、トラブル回避と確実な退職実現につながる重要なポイントです。ここで紹介する利用の流れの全体像を把握し、必要書類を準備することで、手続きはよりスムーズに進み、安心して次のステップへ踏み出すことができます。

3-1. 申し込みから退職完了までの7ステップ

【申し込みから退職完了までの7ステップ】

初回相談とヒアリング
まず、業者との初回相談で退職理由や現状の状況を詳しく伝えます。
エンジニア特有の技術的背景やプロジェクトの進行状況も丁寧に説明し、対応策を検討します。
注意点は正確な情報提供と、秘密保持の確認です。
契約と見積もりの確定
次に、費用やスケジュール、サービス内容について詳細な契約を締結します。
技術的な対応や引き継ぎの範囲を明確にし、追加費用の有無も確認。
信頼できる業者は料金体系を透明にしています。
必要書類と情報の準備
退職に必要なもの（勤務証明書、引き継ぎ資料、ID等）を整理します。
エンジニアの場合、技術資料やアクセス権解除手続きも合わせて準備しましょう。
これにより、手続きがスムーズに進みます。
退職代行の実行
業者があなたに代わり会社に退職の通知を行います。
会社側の反応（引き止めや期限の設定）に応じて代行業者と相談しながら柔軟に対応を進めます。
注意点は、進捗状況を逐次報告してもらうことです。
引き継ぎと確認作業
必要に応じて技術的な引き継ぎ資料の提供を行います。
エンジニアの業務内容に応じて、プロジェクトに関して詳細な引き継ぎを行い、問題なく次の担当者へ引き継げるようにします。
ここでのポイントは、詳細な記録と確認です。
退職の正式合意と書類手続き
会社から退職承認や離職証明書等の必要書類を受領します。
トラブルを避けるため、内容を十分に確認し、不備があればすぐに代行業者に対応を依頼します。
また、最終的な離職日や退職証明書の発行もこの段階です。
退職手続き完了とアフターフォロー
すべての書類やアクセス解除、安全確認を終え、退職鉄手続きが完了します。
必要な書類が会社から届かない場合や会社に確認が必要なことが発生した場合は、代行業者に対応を依頼します。

この7ステップを確実に進めることが、トラブル回避と確実な退職実現のために最も重要です。
各段階での注意点とエンジニア特有の対応ポイントを押さえ、安心して退職手続きを完結させましょう。

3-2. 事前に準備すべき書類・情報一覧

【会社関連】

　☐ 雇用契約書・就業規則：退職条件や規定の確認のために必須。

　☐ 退職願・退職届：代行業者がひな形を提供してくれる場合もあり。

【雇用関連】

　☐ 給与明細・源泉徴収票：退職後の手続きや税務申告に必要。

　☐ 有給休暇残数の証明：未消化の有給休暇の取得や調整に備える。

【個人情報】

　☐ 身分証明書（免許証等）：本人確認やアクセス解除時に必要となる場合あり。

　☐ 連絡先情報：会社からの退職関連の書類の送付先。

【技術関連・エンジニア特有】

　☐ 担当プロジェクトの資料・ドキュメント：引き継ぎや業務整理のために整備。

　☐ 開発環境のアクセス情報・パスワード：必要に応じて解除や引き継ぎの準備。

　☐ ソースコード・技術資料・作業履歴：次の担当者や後任に引き継ぐために整理。

＜注意点と優先順位＞

重要度は、「会社関連」＞「雇用関連」＞「個人情報」＞「技術関連」の順です。

すべての情報の正確性は、交渉や手続き成功の鍵となるため、誤りや漏れがないよう徹底しましょう。

準備不足は遅延や失敗のリスクになるため、十分な事前整理を行うことが非常に重要です。

4. エンジニアの退職代行利用事例と成功パターン

エンジニアの退職代行利用事例は、具体的な成功パターンを理解するうえで非常に価値があります。
ここでは、システム開発会社やSIer、スタートアップ企業など、多様なケースを紹介し、それぞれの特徴と解決方法を解説します。

成功例からは、円滑な引き継ぎやトラブル防止のポイント、効果的な交渉術など、実践的なノウハウを学ぶことができます。（プライバシー保護のため、個人情報は仮名や匿名で処理しています。）
自分の状況に近いケースを見つけながら、最適な退職戦略を考える参考にしてください。

エンジニアの退職事例には、システム開発会社、SIer、スタートアップの3パターンあります。それぞれの特徴（システム開発会社：素早い引き継ぎ、Sier：長時間労働、スタートアップ：パワハラ解決）と解決策には、学べるポイントが多く、あなたの状況に近いケースを見つける手助けとなります。問題解決のプロセスや交渉術を理解し、最終的に退職成功につながる具体的な方法を参考にしてください。

4-1. システム開発会社からの即日退職成功事例

A.Mさん
多忙なシステム開発プロジェクトのリーダーとして働いていましたが、長期間の過重労働と連日深夜残業で心身ともに限界を迎えていました。
プロジェクトの炎上により精神的な不調を訴え、医師の診断書を取得。これを活用し、労働基準法の休息義務違反を根拠に、退職代行業者と共に即日退職を実現しました。
結果として有給を全て消化し、未払いの残業代も回収。円滑に次の職場へ移行でき、精神的な負担も大きく軽減されました。

4-2. SIerでの長時間労働から脱出した事例

T.Sさん
大手SIerの管理監督者として複数プロジェクトを兼任していましたが、過重な長時間労働と過労状態に陥っていました。
退職にあたってはまず、管理監督者の要件に関する法的基準を専門弁護士と共に詳しく検討し、自身の立場と権利を明確化。そのうえで、約3週間にわたる段階的な交渉を重ね、労働時間の削減と適正な管理を実現しました。
さらに、過去2年分の未払い残業代を回収し、経済的にも大きな成果を挙げました。
顧客先常駐の特殊事情にも配慮し、円満退職と経済的利益を両立させる成功例となりました。

4-3. スタートアップでのパワハラ解決事例

S.Oさん
社員10名ほどのスタートアップに在籍。人事部門がなく、経営者と現場の距離が近い環境で、毎日の叱責や深夜残業の強要、人格否定などのパワハラを受けていました。
録音やメールで証拠を確保した上で、弁護士による退職代行を依頼。
労働施策総合推進法に基づき、会社に対し是正を要求する通知を送付し、同時に無効な競業避止契約の解除も実現しました。
結果、慰謝料の一部支払いと即日退職に成功。
同業他社への転職も果たし、心身ともにリスタートを切ることができました。

5. 退職代行利用時の注意点とリスク対策

退職代行は迅速かつ円滑な退職を実現できる反面、リスクも存在します。
特にエンジニアの場合、技術的な引き継ぎ不足や競業避止義務の問題が顕著です。
これらは転職先への影響や法的トラブルにつながる可能性があります。
しかし、専門家によるサポートを受け、事前に証拠収集や契約内容の確認を行うことでリスクは大幅に軽減可能です。冷静な判断と準備が安全な退職の鍵です。適切な対策を講じれば、安心して新しいキャリアへ踏み出せます。

5-1. 損害賠償請求される可能性と対処法

退職時に損害賠償請求される可能性はありますが、実際の請求は法的要件が厳しく、あまり心配する必要はありません。
労働者には退職の自由が保障されており、契約違反など具体的な損害が認められなければ請求は困難です。
もし請求された場合は、法的根拠に基づく反論が可能です。
予防策として、適切な退職手続きを踏み、パワハラや労務実態の証拠を保全することが重要です。
専門家のサポートを受けることで、リスクを最小限に抑えられます。

5-2. 退職金・有給消化の権利確保方法

退職金や有給休暇の取得は、労働者に認められた正当な権利であり、労働基準法などにより法的に保護されています。
退職時に会社が退職金の支払いを渋ったり、有給休暇の消化を拒否したりするケースもありますが、不当な対応には毅然と対処することが大切です。
まず、就業規則や雇用契約書、給与明細などの証拠を確保しておきましょう。
有給休暇については、労働者には時季指定権があり、会社が時季変更を主張するには「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られます。
退職金の有無や支給条件は就業規則などで確認し、支給対象である場合は文書で正式に請求しましょう。
それでも支払いがされない場合は、労働基準監督署へ相談することが有効です。専門家のサポートを受けることで、円満かつ確実な権利行使が可能になります。

5-3. 転職活動への影響を最小限に抑える工夫

退職代行を利用したことが転職活動に悪影響を与えるのではと不安に感じる方もいますが、退職代行を利用することによる、転職への悪影響は特段ございません。
面接では「より良い環境で自分のスキルを活かしたい」「キャリアの方向性を見直したかった」など、ポジティブな表現に退職理由を言い換えることが有効です。
また、推薦状の取得や、GitHubなどにまとめた成果物の提示、スキルシートの充実などによって、実力や誠実さを示すことができます。

転職先には選考の後半や内定前後など、適切なタイミングで簡潔に状況を説明することで、信頼感を損なわずに済む場合が多いです。
エンジニアの転職市場では、実績や技術力が最重視される傾向にあり、過去の経緯よりも今後の貢献が重視されるため、必要以上に心配する必要はありません。退職代行の利用がマイナス評価になるとは限らず、合理的な判断と受け止められることも増えています。

6. エンジニアが知っておくべき労働法の基礎知識

エンジニアが安心して働き、正当に退職するためには、労働法の基本的な知識が欠かせません。
特に裁量労働制や「管理監督者」といった制度は誤解されやすく、残業代の支払いなどでトラブルに発展することもあります。
法的な仕組みを正しく理解しておくことで、不当な扱いに対して自信をもって交渉する力が身につきます。
また、複雑なケースでは弁護士や社会保険労務士など専門家への相談が有効です。
ここでは、法律用語をできる限りやさしく解説し、エンジニアの退職で実践的に活用できる知識を提供します。

6-1. 退職の自由と2週間ルールの正しい理解

退職の自由は労働者の基本的権利であり、民法第627条では「期間の定めのない雇用契約は、いつでも2週間前の予告で終了できる」と定められています。これがいわゆる「2週間ルール」です。
就業規則に「1ヶ月前に申し出ること」とあっても、法律が優先されます。また、有給休暇の消化や雇用者との合意があれば、即日退職も可能です。
企業による引き止めや退職拒否は、法的には効力を持ちません。
エンジニアの場合、引き継ぎの問題が障害となることもありますが、それによって退職が無効になることはなく、適切な引き継ぎ努力を記録しておくことが大切です。
退職の意思表示は明確に行い、法的根拠に基づいて冷静に対応しましょう。

6-2. 残業代・深夜手当の計算方法と請求権

エンジニアが長時間労働を強いられる職場では、残業代や深夜手当の適切な支払いが重要です。
労働基準法では、1日8時間・週40時間を超える労働には25％以上の割増賃金が必要で、22時から翌5時の深夜労働にはさらに25％が加算されます。
よくある「みなし残業制度」は、実際の労働時間がみなし時間を大きく超える場合には違法となる可能性があり、注意が必要です。

また、「管理監督者」として残業代を支払わない企業もありますが、エンジニア職の多くは法律上の要件を満たしておらず、不当とされる例も少なくありません。
裁量労働制についても、対象業務が厳格に限定されており、単に「成果で評価するから」といった理由では適用できません。
未払い残業代は過去3年までさかのぼって請求できるため、給与明細や業務記録を保存しておくことが大切です。

6-3. 競業避止義務と転職制限の法的限界

競業避止契約は、企業が営業秘密の漏洩を防ぐために設定しますが、合理的な範囲と代償措置が求められます。
特にエンジニアの転職では、過度に広範な地域や期間での制限は無効とされる傾向にあります。
例えば、退職後5年間すべての競合企業への就職を禁止する契約は裁判で否定されるケースが多いです。

営業秘密保護と労働者の転職自由は法的にバランスをとる必要があり、企業の正当な利益保護と個人の職業選択権の両立が求められます。

最新の裁判例では、代償措置がない場合や不合理な制限は無効と判断されることが多く、転職活動の際には契約内容をよく確認し、専門家に相談することが重要です。

7. 利用者の声

退職代行「ヤメドキ」には、これまで多くのエンジニアの方々の退職代行をした実績があります。ここでは一部のお客様からの声をご紹介します。

20代　女性　契約社員

【入電から退職まで】
- 即日退職
【退職理由】
- コードチェックを続けるばかりでスキルが身につかない
【有給消化】
- 4日すべて消化
【貸与物】
- 入館証
  退職届と一緒に郵送で返却
- パソコン
  退職届と一緒に郵送で返却
【私物】
- なし
【退職後に必要な書類】
- 離職票
  退職日から2週間程度で自宅に届いた。
- 源泉徴収票
  最終給与支給日から1週間程度で自宅に届いた。
- 社会保険資格喪失証明書
  退職日から2週間程度で自宅に届いた。
【料金】
- 24,000円（税込）
【コメント】
- テスト業務中心のエンジニアとして働いていましたが、毎日決まった作業ばかりで、自分の将来に不安を感じていました。
  契約社員という立場もあり、上司に退職を伝える勇気が出ず、悩んでいたところヤメドキの存在を知りました。
  初めての利用で不安もありましたが、丁寧に対応してもらい、トラブルなく退職することができました。
  現在は自分の希望していた開発業務に就き、スキルアップを目指して前向きに取り組めています。
  あの時、一歩踏み出して本当によかったです！

40代　男性　正社員

【入電から退職まで】
- 即日退職
【退職理由】
- 成果を上げても会社から正当な評価を受けられない
【有給消化】
- 10日すべて消化
【貸与物】
- 入館証
  退職届と一緒に郵送で返却
- 保険証
  退職後に郵送で返却
- パソコン
  職場に残す形でそのまま返却
【私物】
- なし
【退職後に必要な書類】
- 離職票
  退職日から2週間程度で自宅に届いた。
- 源泉徴収票
  最終給与支給日から1週間程度で自宅に届いた。
- 社会保険資格喪失証明書
  退職日から2週間程度で自宅に届いた。
【料金】
- 24,000円（税込）
【コメント】
- 長年、正社員としてシステム開発に携わってきましたが、成果を出しても評価されず、モチベーションの維持が難しくなっていました。年齢的にも今後のキャリアを真剣に考えたいと思い、転職を決意。
  しかし、自分から退職を切り出すのは気が重く、悩んだ末に退職代行ヤメドキを利用しました。
  依頼後はスムーズに手続きが進み、精神的なストレスも最小限で退職できました。
  今は自分の経験をしっかり活かせる職場で、納得のいく評価を受けながら働けています。

30代　男性　正社員

【入電から退職まで】
- 即日退職
【退職理由】
- 上司からのサポートがなく仕事が回らない
【有給消化】
- なし
【貸与物】
- 制服
  クリーニング後に郵送で返却
- 入館証
  退職届と一緒に郵送で返却
- パソコン
  職場に残す形でそのまま返却
【私物】
- なし
【退職後に必要な書類】
- 離職票
  退職日から2週間程度で自宅に届いた。
- 源泉徴収票
  最終給与支給日から1週間程度で自宅に届いた。
- 社会保険資格喪失証明書
  退職日から2週間程度で自宅に届いた。
【料金】
- 24,000円（税込）
【コメント】
- 社内SEとして正社員で働いていましたが、人手不足の中でトラブル対応や雑務に追われ、業務量は増える一方。上司からのフォローもなく、心身ともに限界を感じて退職を決意しました。
  ただ、職場の空気が強く、直接退職を伝える勇気が持てず悩んでいたところ、退職代行ヤメドキのことを知り依頼することにしました。丁寧に対応していただき、ストレスなくスムーズに退職できたことで、心からホッとしています♪
  今は落ち着いて次のキャリアに向けた準備ができており、自分の人生を見つめ直す良い機会になりました。